災害時にこそ役立つ!高まる自治体防災アプリのニーズ

2023年04月19日

災害時に自治体の住民への連絡手段として使用する伝達ツールを改善するように国から求められ、防災のデジタル化を進めている自治体職員の方もいらっしゃるかと思います。しかし、何から手を付けていいのかお悩みの方も多いのではないでしょうか。

防災のデジタル化として防災アプリを導入すれば、お悩みの諸問題を一括で解決できるのでおすすめです。

この記事では、防災のデジタル化を進めたい自治体職員の方に向けて、防災アプリ導入のポイントを解説します。

政府も後押しする自治体の防災アプリ

近年では温暖化の影響で台風・土砂災害・河川氾濫などの災害が増えており、地震も頻発しています。もはや従来の体制では災害から住民を守ることは困難で、国からも防災対策の改革を急ピッチで促されている状況です。政府は、マイナンバーカードを使って防災アプリを作るよう自治体に呼びかけています。一部の自治体では既に導入されており、2023年以降には全国に展開される予定です。

住民は事前にアプリに個人情報を登録し、災害時に避難所の情報を受け取れます。避難所ではQRコードを読み込むことで、自治体は誰が避難所にいるかを把握できるので、手書きの名簿よりも早く正確に情報を収集できます

特に東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県などは独自にアプリを開発し、他の自治体にも紹介されているほどです。住民の命を守るために、防災アプリの導入は急務です。

自治体防災アプリのメリット

自治体の防災アプリには、おもに次のようなメリットがあります。

プッシュ通知でいち早く危険を知らせられる

自治体の防災アプリを導入すれば、プッシュ通知で住民にいち早く危険を知らせることができます。
公式ホームページのニュース欄やTwitterよりも防災アプリのプッシュ通知のほうが避難情報などをピンポイントに住民に届けられるので、わざわざ情報を検索する手間がかかりません。

自治体としても住民に対して災害の危険が迫っていることを知らせやすく、最速で避難誘導が可能です。

GPSで最短の避難所まで自動でナビ

自治体の防災アプリを導入すれば、住民を最寄りの避難所までナビゲーション機能で誘導することも可能です。避難誘導の通知を受けた住民のスマートフォンには、GPS機能によって自動でナビゲーションが表示されるので、避難経路に迷うことがありません

また、避難所の写真・住所・連絡先などの詳細情報やWebサイトへのリンクも掲載することができるので、災害時に住民の命を守ることにつながります。

災害現場をライブカメラ配信

自治体の防災アプリではライブカメラ機能も利用できるので、住民が災害状況を把握しやすくなります。ライブカメラでは、近隣の河川の増水状況や道路などにおける土砂崩れの危険性を動画で確認できます。

ビジュアル的に災害現場の状況を知ることにより危険性を実感させられるので、「まだ大丈夫」という油断による逃げ遅れの防止にもつながるでしょう

多言語機能で外国人にも対応

防災アプリは日本語だけではなく多言語に対応しているので、外国人の住民も利用しやすくなっています。

防災アプリは住民が利用しているスマートフォンの設定に合わせて言語を表示する仕組みとなっています。プッシュ通知されるメールも自動で翻訳されるので、せっかく災害情報を受け取っても言葉が分からなくて情報が伝わらないという事態を避けられ、外国人の住民も安心でしょう

自治体に特化した防災情報

自治体ごとに異なる事情を踏まえ、その自治体に特化した防災情報を発信できるのもメリットです。

自然災害においては、地域ごとに気候や地形などが異なるため、注意すべき災害もそれぞれ違ってきます。その地域の特性に合わせた防災・災害への対応ができるので、より一層住民の役に立てるでしょう

避難後も最新情報を発信

防災アプリは、常に最新情報を発信できるので、住民が災害の状況を把握しやすくなります。
避難中はもちろん、避難した後や災害が収まった後も継続的に最新情報を発信できるので、住民は安心して行動できるようになるでしょう

プッシュ通知で送信されるので見逃すこともなく、通知された情報は新しい順に表示されるので、状況の変化も一目で分かります。

通信インフラが断絶しても使える連絡網

防災アプリでは、通信インフラが断絶した状態でも利用できる連絡網を形成できます。例えば電話などの回線が不通になったとしても、あらかじめ形成された連絡網を利用すれば、災害中でも自治体内で情報の共有が可能です

オプション機能として、形成されたグループへ緊急で情報を一斉連絡したいときにも活用できます。

防災アプリの選び方

ここでは、防災アプリの選び方を3つのポイントに絞って解説します。

低コストで始められるか?

防災アプリを導入する際には、まずは予算がどのくらいかかるのかを把握しましょう。自治体の予算は限られているので、システム開発にコストがかかりすぎることは望ましくありません。費用対効果に見合ったサービスを受けられるのかどうかを、事前に十分に検証する必要があります。

自治体のニーズに合わせた機能を低コストで作成できるアプリ開発者を選びましょう。また、防災アプリを導入することによって浮かせられるコストを把握しておくと、コスト削減につながります。

運用に特別なノウハウが必要ないか?

運用のしやすさも重要なポイントです。運用に専門的な知識やノウハウが必要な防災アプリだと、機能を十分に活用することが難しくなり、住民住民に対してアプリによって得られる恩恵も行き届かなくなります。

自治体にはまだDX専門の担当者がいないことが多いので、誰でも簡単に運用できる防災アプリが望ましいです。運用がしやすいものほど、自治体の特性に合ったサービスを提供できるようになり、災害時も住民が安心して避難できるでしょう。

様々なデバイスに対応しているか?

防災アプリは、特定のデバイスだけではなく、さまざまなデバイスに対応していることも重要です。できるだけ多くの住民に利用してもらえるように、AndroidとiOSの両方に対応した防災アプリを導入しましょう。

そして、防災アプリを住民に広く認知してもらえるように、積極的にダウンロードを呼びかけることも欠かせません。庁舎の窓口や公式ホームページはもちろん、広報誌などにQRコードを掲載することも効果的です。

【実例紹介】災害時こそ役立つ防災アプリ

防災アプリを導入した自治体の実例を2つご紹介します。

水害で通信インフラ断絶!アプリで情報発信

【熊本県あさぎり町】

熊本県の南部に位置するあさぎり町では、水害でインフラが断絶状態になった危機的状況を防災アプリで切り抜けた実績があります。人口約1万5千人、世帯数約6千の小さな町を襲った2020年7月の豪雨は、深刻な被害をもたらしました。

過去に例がないほどの雨量が通信インフラを断絶させ、本庁舎の電話回線が約4日間、同町内の光回線が約6日間も使用できなくなったのです。町の公式ホームページサーバーも被災したため、インターネットによる情報発信まで停止してしまいました。

しかし、あさぎり町は防災アプリ「あさぎりナビ」を導入していたおかげで、この危機的な状況でも災害状況や避難所などの情報を発信することができました。防災アプリによって住民はいち早く避難することができ、常に最新の情報を得られる理想的な状況を確保することができたのです

さらに、連絡網機能によって関係機関や関係者への情報発信も迅速に行われたため、町役場の職員とも綿密に連絡を取り合うことができました。豪雨が始まってから「あさぎりナビ」をインストールする住民がさらに増えました。

集中豪雨被害時のアプリ利用は平常時の約30倍!

【岡山県高梁市】

岡山県の中西部に位置する高梁市では、梅雨前線の停滞による豪雨の被害を防災アプリで切り抜けたという実例があります。2018年7月に国内の広い範囲を襲った豪雨は、人口約3万人、世帯数約1万4千という内陸部の小さな都市に、過去に記録がないほどの雨量と大きな被害をもたらしました。

この豪雨で市役所周辺が冠水してしまったため、当時の広報担当職員が数日間も庁舎内に待機して災害の対応に追われるという状況に陥りました。そんな高梁市を救ったのが、豪雨のわずか3年前、2015年に導入したばかりの防災アプリ「高梁いんふぉ」でした。

災害時に「高梁いんふぉ」がどれだけ市民に多く利用されたかを表す具体的なデータが残っています。住民への災害に関する通知が平常時の約10倍あり、住民が災害の状況を常に最新の情報で把握することができました。アプリの利用回数については平常時の約30倍にものぼり、住民がいかにアプリからの情報を頼りにしていたかを示しています

災害が起こってからアプリをインストールした住民も多く、インストール数は災害前の5倍に。「高梁いんふぉ」では、災害が収まったあとにもインフラの復旧や救援物資などの情報を発信し続け、住民が平常時の暮らしを取り戻せるように貢献したのです。

全国70以上の自治体がアップ・ポータルを導入しています

自然災害が増えている状況では、今後も想定外の状況に備えておく必要があります。防災アプリの導入は有効な手段ですが、運用開始までのハードルは非常に高いです。そこで、DX担当者のいない自治体の方には、専門的な知識を必要とせず誰でも運用しやすいAp-Portalがおすすめです。

Ap-Portalはすでに全国の70以上の自治体に導入され、防災アプリとして住民の命と暮らしを守る活動に貢献しています。この機会にぜひ、Ap-Portalの導入をご検討ください。