自治体広報の課題と自治体アプリ

2019年10月08日

今回は「自治体広報の課題と自治体アプリ」をテーマにお話させていただきます。
自治体様の広報活動にスマートフォンアプリを取り入れることで、どのような課題解決ができるか、どのような有効性があるかについて、ご紹介したいと思います。

■情報発信メディアの種類と特性
現在では、多くの自治体で広報紙をはじめ、ウェブサイトやCATVなどさまざまな情報メディアを通じて広報活動がなされています。これらの情報メディアの特徴について次の通り整理してみました。

【広報紙】戸別に広く配布されるが、マンション等一部で配布されない場所がある。時事の情報は多いがリアルタイム性は低い。
【TV・ラジオ】比較的規模の大きい自治体で取り扱う。利用者層は幅広いが一定の時間枠で放送されるため見逃されることが多い。
【CATV】ローカルな情報を中心に放送しており、文字放送を行うこともできる。CATV契約者など一部の利用者のみが視聴できる。
【ウェブサイト】体系的で網羅性の高い情報発信ができる。情報量が多いため、目的の情報に辿り着くことが困難なケースもある。リアルタイム性は高いが、プッシュ型の配信に向かない。
【メール・SNS】リアルタイム性が高くプッシュ型で利用者に配信できる。体系的に情報を整理することができないため、新着情報や防災情報など一過性の情報発信に向いている。

ざっと主要な情報メディアを挙げてみました。
それぞれのメディアにそれぞれの特徴がありますが、何れか1つの選択で住民の満足を得られるものではなく、いくつかのメディアを効率よく組み合わせることが必要であることがよくわかります。

■情報発信メディアの選択と課題
情報メディアは受動型と能動型に分類することができます。受動型メディアは「広報紙・TV・ラジオ・CATV」で、能動型メディアは「ウェブサイト・メール・SNS」となります。
受動型は利用者がアクションしなくても情報伝達されるのですが、全てにおいてオンデマンドでなく、リアルタイム性は低いものになっています。
能動型は利用者のアクションを必要としますが、住民は必要な情報をリアルタイムに受け取ることができます。しかし、このアクションが高齢者には障壁となっています。
また、一言でSNSと言っても、FacebookやTwitter、Instagram、LINEなど、どの情報をどのメディアを使って住民へ配信するか、その判断は広報活動の難しさであり、また、次々に流行するSNSへの対応と既存メディアの継続も自治体広報ならではの大変なご苦労があると思います。

■住民の目でみた自治体広報
このような状況の中で、各自治体様においては、少しでも早く、少しでも多くの住民に情報を届けるよう、メディアの特性や利用者層を想定して情報発信にはさまざまな工夫をされていると思います。
しかし現実では「そんなことは知らなかった」と一蹴されることもあるのではないかと思います。
受動型メディアでは、広報紙などで制度の変更や時事のお知らせを定期的に配布できますが、アナログ的な手法によるもので、リアルタイム性はゼロに等しいものとなっています。
能動型メディアでは、利用者自身がウェブを検索したり、メールアドレスを登録したり、自身のアカウント登録と自治体様のアカウントフォローなど、情報メディア毎に一定の手続きが必要で、これは高齢者にとって大変な作業です。
また、このような情報ソースがあることに気づかないケースもあり、本来受けられる住民サービスを享受できないことも懸念されます。

■自治体アプリの本領
現在さまざまな自治体で、さまざまなアプリの導入が進められていますが、その機能にはそれぞれ特長があります。
多くのアプリでは、自治体様の広報活動を支援する仕組みが取り入れられていますが、自治体アプリの本領はズバリ「通知」です。
スマートフォンアプリの通知はご存知の通り「プッシュ型」で、利用者は何もしなくても、新着情報があれば通知サウンドとビジュアルでリアルタイムに伝えてくれます。
従来の自治体広報になかった「通知」という概念がスマートフォンアプリにはごく一般的に実装されていますので、自治体広報とアプリは極めて相性が良いのです。
防災・防犯に関する情報はもちろん、選挙や子育てに関する情報も1つのアプリをインストールすることで、住民はリアルタイムに情報を得ることができるようになります。しかも自ら情報を探す必要がありません。

■アップ・ポータルの有効性
当社がご提供するアップ・ポータルは、ウェブやメール、SNSなど、インターネット上で配信される情報であれば、自動的に情報収集し、新着情報があれば「通知」として住民にお届けします。
通常であれば、新しい情報システムを導入すると、自治体職員様にはその管理工数が必要となりますが、アップ・ポータルではそのご心配はありません。全てシステムが自動的に実行します。
2018年7月に発生した西日本豪雨の際にも、注意報/警報の発令から、避難情報、被災の状況伝達、復旧/復興支援の情報発信まで、一切、自治体職員様の手を煩わせることなく、完全自動で運用した実績があります。
この災害の発生時には、通常の約30倍のアプリ利用と約5倍のインストールが行われ、被災された自治体様とその住民に対して極めて有効に情報発信できていたと自負しております。

また、アップ・ポータルはサービス提供型のシステムですので、毎年1回行われるスマートフォンOSのアップデートに対するサポートも全て提供サービスの範囲内で行います。
アプリを導入された自治体様のケースで、数百万円をかけてアプリ開発を委託したものの、翌年のスマートフォンOSアップデートに対応できず、新たな予算確保が必要となるようなケースをお聞きしたことがあります。
アップ・ポータルではシステムのライフサイクルを気にすることなく、計画された予算の中で安心して運用を続けることが可能です。しかも、その予算は新規開発を委託する場合の数十分の1です。
また、アップ・ポータルは、個人情報の収集を一切行いませんので、個人情報管理の負担やリスクを受け入れる必要もありません。